良い調律師さんを選ぶ基準は、なに?
選ぶポイントとしては、5つあります。これらを総合的に判断して決めるのがベストです。
・技術力と経験
・価格
・サービス力
・ピアノへの愛情
・評価
- 技術力と経験
- 価格
- サービス力
- ピアノへの愛情
- 評価
ピアノ調律師は、ピアノの工房や調律学校、その他、師に教えをうけるなどして、技術を身につけます。その後は、楽器店などで経験を積み、やがて独立するのがふつうです。
それぞれの調律師が、いったいどういった経歴をもち、どんな内容の仕事をしてきたのか、その中で輝く個性や感性、特徴は何か、チェックしてみてください。自分の感覚にフィットする何かが、見つかるまで。
ピアノ調律師によっては、同じサービスでも、5千円前後料金が違ってくることもあります。料金をよく比較して、妥当とおもえる値段を選択しましょう。
それから、料金が高いから良い調律師で、安いから悪い調律師ということも、一概にいえません。料金だけで判断せず、他の評価ポイントも考慮することが重要です。
まず基本的なことですが、笑顔で、親切に、気持ちのよい対応をしてくれるか、ですね。こういった対応をされるだけで、ずいぶん印象が違ってくるものです。
それから、調律を頼むお客様の意向を尊重し、最大限、その希望に応えようとする調律師は、優れたサービス力をもっているといえます。ピアノ調律師は、技術だけが売りではありません。お客様の満足するサービスをとことん追及するのが、やはりプロの調律師といえます。
まず大切なのは、コミュニケーションをきちんととろうという意思があること。それから、ふだんどんな曲を弾いているのか、どういう音がほしいのか、どんな雰囲気にしあげたいのか等、お客様がピアノの音に何を求めていているのかよく聞いてくれて、それに応えようと努力をしているかのが、チェックポイントです。
ピアノ調律師が、どれくらいピアノやピアノ音楽に愛情をもっているかも、とても重要なポイントです。
ピアノに愛着をもっていれば、必ずたくさんのピアノ音楽を聴いているはずですし、自分でも弾いてみた経験があるはずです。それらが、調律の際、技術を超えて感性のレベルで活かされるとき、最高の仕事になるからです。
また、そのような調律師は、ピアノ音楽についての知識と話題も豊富なはずです。そういったお話で盛り上がるひと時も、またほんとうに楽しいものです。
他の方がピアノ調律師につけた評価も、チェックしておきましょう。評価欄には、おもに調律をうけたお客さまの満足度があらわれます。多くの評価を参照することで、より客観的に、その調律師を判断することができます。
また、評価には、その調律師の人柄や人間性に対する評価も含まれています。前もって、よい感じの人で、よい人柄の調律師さんだとわかっていれば、安心して調律を頼むことができますよね。
最高のピアノ調律師に出会うために
「どうすれば、最高のピアノ調律師に出会えますか?」
と、もし聞かれたら・・・
「それは、めぐりあい。」と、究極的にはいえるかもしれません。
最高の調律だと感じるのは、あくまでもピアノを弾く人、つまり、調律を頼んだ方の主観です。 ですから、Aさんにとっては最高の調律師だとおもえても、Bさんにとってはそうだと感じない場合も、あるわけです。
ピアノ調律師の仕事も、じつは、ある程度までは技術力ですが、そのレベルを超えると感性の問題になってきます。ある程度経験を積んだ調律師であれば、感性のレベルで自分の音作りのスタイルというものをもっている。
ですから、ピアノを弾く人の主観と調律師の感性が、うまくマッチするとき、しないときという問題が、どうしてもでてきます。
たとえば、クラッシク音楽が好きな調律師がいて、ふだんそういった音楽をよく聴いている。自然、クラシック音楽にあう調律スタイルになるでしょう。しかし、この調律師が、ジャズの雰囲気をつくる感性をもっているか、それは未知数なわけです。
この場合、ジャズを好んで弾く人にとっては、満足のいく調律をしてもらえないかもしれません。たとえ、その調律師が、技術には一流だったとしても、です。
反対に、自分が想像していた音とはまったく違うけど、新鮮ですばらしい音作りをする調律師に、いきなり出会うこともあります。
では、どうすれば、お互いの感性がピタッと合うような出会いをもつことができるのでしょうか?
その答えは、やはり、これだとおもえる調律師に出会えるまで、できるだけたくさんの調律師に調律を頼んでみること。これしか、ありません。
ですから、冒頭で「自分にとって最高のピアノ調律師。それは、めぐりあいによってもたらされる。」と、申し上げたのです。
人生にも、偶然が織りなす、とても貴重な出会いがあります。
あの場所で、あのタイミングで、あの人と出会っていなければ、結婚しようなんておもわなかった・・・というような。
最高のピアノ調律師との出会いも、同じようなものです。
ピアノ調律師を選ぶたのしみ、それは、おもいがけない音とめぐりあう楽しい旅でもあるのです。