調律後、ピアノをどう維持管理すればよい?

ここでは、調律後にどのような管理をすればピアノをベストな状態に保つことができるのかについて、解説します


ピアノは木製で、呼吸をしています。天気のよい日にはできるだけ窓をあけて、風通しをよくしてあげてください。ピアノカバーをかけないのが理想ですが、たまにはカバーをはずして、じゅうぶん風をとおしてあげてください。部屋の換気をよくしてあげることが、大切です。


日本は、基本的に湿度の高い国です。とくに梅雨どきはとても湿度が高くなります。湿度が高い部屋にピアノを放置したままですと、アクションなどの木の部分の動作が鈍くなったり、弦が錆びて切れる、ハンマーフェルトが変質して音色がおかしくなる、などの故障が発生しやすくなります。

対応策としては、除湿機を用意して対応できればベストです。部屋の湿度の目安は、50%ですので、そのあたりまで湿度が下がったら、除湿機のスイッチを切ってあげるとよいでしょう。乾燥剤という手もありますが、残念ながらあまり効果がありません。


また、冬の寒い日、石油ファンヒーターを使用するときにも、じゅうぶん注意が必要です。寒い部屋でいきなり石油ファンヒーターをつけると、冷えた金属部分に結露が発生してピアノを痛めてしまうからです。エアコンなど、水分を発生させない暖房器具が理想ですね。


ピアノに、あまり激しい温度変化を与えすぎると、音が狂いやすくなります。ピアノの内部では、温度差によって金属部分が膨張したり収縮したりしているからです。できるだけ、ピアノがおいてある部屋は、一定の温度を保つようにするのがベストです。