ピアノ修理費の相場は? メーカー修理vs調律師にたのむ方がイイ?

ピアノの修理

ピアノは高価な楽器、気軽には買えません。古いピアノを修理して使うか、それとも新しいピアノを買うか、悩む人も多いはず。

この記事では、ピアノの修理費用の相場や、修理する時の注意点、ピアノメーカーに修理をたのむか、それとも調律師にたのむ方がお得なのか、などなど…。

ピアノを修理する上での注意点や役立つ情報について、詳しく解説しています。この記事があなたのお役に立てば幸いです。

修理の内容とおおよその金額について

この章では、ピアノのトラブルごとの修理の内容や、修理にかかる費用について解説しています。あなたのピアノの状態とてらしあわせて、読んでみてください。

鍵盤の戻りが悪い、上がらない、動かない

鍵盤の戻りが悪い、上がらない、動かないケースの場合、温度や湿度変化による影響などで、鍵盤そのものにトラブルが発生していたり、ハンマーにトラブルが考えられます。

アップライトピアノの鍵盤の戻りが悪い、上がらない場合一箇所で約500~2,500円動かない場合の修理費は2,000~5,000円が相場です。


一部の音が出ない

一部の音が出ない場合、鍵盤のトラブルやハンマーの故障、弦が切れてしまっているなど、色々な原因が考えられます。

音が出ない場合、原因により修理費にかなり差があるため、調律師さんに修理の見積もりをお願いしてください。

弦が切れていて、音がでない場合の修理費は次のとおりです。


弦が切れている

弦が切れている場合の修理費は、切れている弦の音域によって異なります。

高音弦で1本2,000~5,000円
中音弦で1本4,000~7,000円
低音弦で1本6,000~9,000円
低音ダブル巻弦で1本9,000~11,000円

が目安です。


弱音器の故障

ピアノの弱音器は、音量をおさえるための装置で、「ミュート」とよばれます。弱音器の調子が悪い場合、調整やフェルトの交換が必要になります。

軸がサビて動きが悪い場合で、サビ取りだけなら1,000円程度フェルトの交換が必要な場合は5,000~8,000円程度かかります。


ピアノの弾き心地が悪い

個別には、鍵盤や軸の調整、ハンマーの交換などが必要になります。基本的にピアノの調律も必要で、ピアノ状態より金額が違ってきます

ピアノの弾き心地が悪い場合、一度ピアノ調律師さん相談し、修理の見積もりをしてもらうことを、おすすめします。


ピアノの音色にムラがある

ピアノの音色にムラがある場合、ピン刺し程度なら3,000円~10,000円程度整形が必要な場合は7,000円~15,000円と修理費に幅があります。

ピアノの調律や整音をともなうケースが多いため、一度ピアノ調律師さんに相談し、修理の見積もりをしてもらうと良いでしょう。


外装の修理

ピアノの外装にキズがついてしまった場合、その部分を塗装したり、パテで補修したうえで塗装するといった修理が必要となります。

キズが大きい場合は、ピアノ全体を塗装しなければならないこともあります。

カンタンな塗装程度の修理ならともかく、本格的な塗装修理となると、オーバーホールを扱う専門業者へ依頼する必要があります。

修理費も状況によってさまざまで、まずは修理の見積もりをしてもらうことを、おすすめします。


ピアノ修理の流れ|実際の修理はどんな感じで行われるの?

一般的なピアノ修理の流れは、以下となります。

  1. 問題の特定
  2. 点検作業
  3. 修理の見積もり
  4. 実際の修理作業
  5. 調整作業(調律や整音作業なども含む)
  6. 最終点検
  7. お客様への説明や確認作業

それぞれについて、詳しく解説していきます。


問題の特定

まずは、お客様から問題点のヒヤリングです。

ピアノについての情報や、気づいたことや気になること、問題がどのようにおこなったかなど、できる限り詳しく伝えてください。


点検作業

次にピアノ調律師が、ピアノを点検し、問題の確認や原因の特定などを行います。

必要に応じて、ピアノの各部品の状態をチェックし、修理に必要な部品なども確認します。


修理の見積もり

点検内容にもとづき、修理にかかる費用についての見積もりをおこないます。軽微な修理の場合は、その場ですぐに修理可能な場合もあります。

部品の取り寄せなどが必要な場合など、後日あらためて詳しい見積もりが提示されることもよくあります。

もし、修理費用が高価な場合や、不安を感じた場合は、その場で決めずに「家族と相談する」と伝え、他の業者にも見積もりをしてもらいましょう。

また、通常は見積もりに記載されているハズですが、出張費や運送費などの経費についても、確認しておきましょう。


実際の修理作業

見積もり内容に納得できたら、実際に修理をしてもらいます。

大きな修理の場合は、ピアノの内部部品・アクションや鍵盤を持ち帰って修理する、といったケースも珍しくありません。

大切なピアノが直っていく様子には、きっと嬉しく感じるでしょう。


調整作業(調律や整音作業なども含む)

修理完了後は、ピアノの調整を行います。

日頃から定期的に調律を行っているピアノで、弦が切れただけなどのカンタンな修理の場合は、この作業が必要ないケースもあります。

必要であれば、音の好みや、弾き心地についてなど、希望を伝えておきましょう。


最終点検

修理箇所を含めたピアノ全体の最終点検を行います。ここまでくれば、もうすぐ修理完了です。


お客様への説明や確認作業

最後に、お客様ご自身がきちんと直っていることを確認します。

後々のトラブルにならないよう、ピアノを実際に弾くなどして、修理箇所以外に問題がないか、きちんと確認しましょう。

誠実な調律師さんであれば、ピアノの状態や今後のメンテナンスなどについてなど、色々な質問に答えてくれます。


メーカーに修理をたのむvs調律師に修理をたのむ?

メーカーによる修理のメリット・デメリット

メーカーによる修理のメリット

  • メーカーならではの大きな安心感
  • メーカーの場合、保証期間内であれば無償で修理してくれる場合がある

メーカーによる修理のデメリット

  • 地域によっては修理拠点が少なく、修理に時間がかかる場合がある
  • メーカーによる修理は一般的に値段が高い傾向にある

調律師による修理のメリット・デメリット

調律師による修理のメリット

  • 調律師は、地域に密着していることから、修理時間が短く価格も手頃な傾向にある
  • メーカーにたのむよりも気軽に相談でき、好みの音色への調整など、ゆうずうがききやすい

調律師による修理のデメリット

  • 人によって技術力に差があり、信頼できる調律師さんかどうかの見極めが重要
  • 保証内容がメーカーより劣ることがあり、依頼する場合は保証について必ず確認すること

ピアノ修理するか、オーバーホール? それとも新品or中古ピアノ?

ピアノの修理費用が高い場合、オーバーホールや新品のピアノの購入も、考えることになります。

また、無理に修理するよりも、程度の良い手頃な中古ピアノを探すほうが、良いケースもあります。


オーバーホールは、あまりお薦めはできない

まめたろうピアノ調律

まめたろうピアノ調律
(北海道岩見沢市)
 石川さん

古くなったピアノには、オーバーホールという選択肢もあります。ただ、中身を新しくして、それで元の響きが蘇るかどうかは、別の話。

オーバーホールの場合、使う部品もオリジナルとは変わってしまう可能性もあるため、どこまで望み通りになるのかは、やってみないとわからない、一つの賭けのようなところはあります。

お値段的にも、本格的なオーバーホールだと、アップライトピアノが1台買えてしまうほどです。

私個人は、オーバーホールは、あまりお薦めはできない、といつもお客様には申し上げています。年数の目安を越えたピアノを良くしようと思われるなら、新しいピアノのほうが良いと考えています。


新品のピアノを買う? 中古ピアノという選択肢も

ピアノの修理の見積もりをしてもらうと、意外と高額で、新品か程度の良い中古のピアノを探したほうが良い、というケースがでてきます。

新品のピアノの場合は、安くても50万円はするので、予算に余裕がない場合、厳しい選択です。

また、昔はピアノと言えば、職人さんが作るものでした。しかし、最近は売れ行き不調で、特に価格の安いピアノは、職人以外が関わる部分がどんどん増え、質も落ちています。

そういった点からも、修理の見積もりの後に、新品ばかりすすめてくる、業者さんにはご注意ください。

調律師さんによっては、条件にあった中古ピアノを探してくれる方もいるので、修理見積もりの時に、試しに聞いてみても良いかもしれません。


まとめ|ピアノの修理を依頼する上での注意点

最後にまとめです。以下の点に注意し、修理の依頼をしましょう。

  1. ピアノは高額な楽器、何より信頼できる業者を選ぶことが大切です。まずは、業者の評判や実績について調べましょう。
  2. 信頼できる業者が見つからない場合は、メーカー修理が安心です。
  3. 必ず見積もりをとりましょう。見積もりが高いなど、納得できない点があれば、複数の業者から見積もりを取りましょう。
  4. 次に修理の内容や期間の確認です。修理の内容を理解していないと、後からトラブルになることがあります。
  5. 修理にかかる経費、出張費や運送費についても、必ずチェックしておきましょう。
  6. また、修理後の保証内容についても確認しましょう。保証期間内なら、無償で再修理してくれる場合も多いです。必ず確認しておきましょう。


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