Q&A: ピアノを弾いていないのに、音程は狂うものなの?

調律師さんの視点から、この点についてどう思うのか聞いてみました。

 



Q
: Q&A: ピアノを弾いていないのに、音程は狂うものなの?


 4か月ほど前(6月頃)に、ピアノの調律をしてもらいました。しかし、ほとんど弾いていないにも関わらず音がだいぶ狂っている箇所があります。一度調律をすれば、弾かない場合は一年くらいはだいじょうぶかと思っていましたが、このように弾いてないのに音程がずれてくることはあるのでしょうか?宜しくお願い致します。


ピアノユーザー様からの質問






A:調律師さんの回答



ピアノの音程がずれてくる事はあり得ると思います。他の弦楽器と同じで調律する時、弦を引っ張るので、調律した後でも弦がゆるんできますので音程は多少ずれてきます。





ピアノは弾かなくても調律や調整・整音も狂ってきます。
理由は温度と湿度の変化によるもので、特に湿度変化による影響が大きく、ピアノの弦は響板に張ってありますが、
木材で作られている響板は、湿度が多い夏場は湿気を吸収して膨らみます。すると弦の張力が大きくなり、音程が上がります。逆に、冬場は乾燥のため響板が収縮し、弦の張力が下がり、音程は下がります。
この様に年間を通し、音程は絶えず変化しますのでピアノは弾かなくても狂います。




お答えしますね。
ピアノは経年変化や季節の変わり目の湿度温度変化による
影響で狂いますよ、新品であればあるほど。弾けば弾くほど
狂いますよ、

現代建築2×4工法やサッシ構造であればあるほど狂いますよ、

ピアノの音が新品からであれば約3年位半年ごとに調律すれば何とか
落ち着きます。
最近では生産台数も減り、子供の数も減り、新品のピアノなんか
此処数年依頼すら受けなくなっていますね、

定期的に調律はしなければ音は狂いますから、
出来れば定期的に点検しましょう
車のメンテナンスと一緒だと考えてくださいね

Music TAKANO




ピアノの音程が変動(狂う)要素には3つあります。
①チューニングピンの緩み。
時間の経過から必然的に生じる変化
演奏(打弦=弦への衝撃)による変化
②弦の延び(新品ピアノか弦交換時)
時間の経過から必然的に生じる変化
演奏(打弦=弦への衝撃)による変化
③湿度変化による響板の膨張・収縮
多湿季は響板が膨張し全体的に音程は高くなる
乾燥季は響板が収縮し全体的に音程は低くなる。
以上が音程の変動の大まかな説明です。
ご質問の数カ所目立つ変化は①のチューニングピンが関係している可能性が考えられます。
調律師は全てのチューニングピンに捻れが無いように(時間経過しても同じ様な変化になるように)します。しかし相手は自然の木材なので上手くいかないこともあります。そこが調律師の技量とも言えます。

ピアノ調律は金魚鉢の水にたとえられます。水を取り替えても自然と濁って来ます。演奏頻度は金魚の数、金魚鉢を日向に置いては水の劣化も早いでしょう。如何に取り替えた水が長持ちするか?
調律師も研鑽の日々です。

埼玉県さいたま市緑区
銘弦堂
代表 三浦 晃一





6月は乾燥期と湿潤期の境です。梅雨に入る前は乾燥期、入ってからは湿潤期です。
4ヶ月で狂ったとしたら梅雨前の乾燥期の調律でしょう。
どんなに注意深く調律しても狂いますが12月ストーブを使い始める頃から狂いも穏やかになってきます。乾燥期に入るからです。
どのピアノでも年2回狂いが生じます、乾燥期に調律したら湿潤期には狂い、湿潤期に調律をしたら乾燥期には狂います。
狂いは中央から低音方向1オクターブが顕著です。
乾燥期の調律は湿潤期に入ると低音部が高くなり、湿潤期の調律は乾燥期に入ると低音部が低くなります。とてもオクターブや和音が汚い響きになります。調律した季節まで我慢すれば元に近づきます。
ピアノの狂いは湿度だけではございません、室温も非常に影響する事をご承知おき下さい。
どんな空調をしても自然には勝てません。

余談ですが、お客様より「梅雨を避けて調律してもらえませんか。」と言われることがありますが、それは賢明ではありません。昔の人はタンスを買うには雨の日に買いに行けと言いました。
湿気を含んだ引き出しがスムーズに動くか確認できるからです。
ピアノも同じです、鍵盤が上がってこない、音が出にくいといったピアノをお持ちの方は湿度が高い時期に直して貰うことをお勧めします。

立川ピアノ調律技研

神奈川県藤沢市
立川ピアノ調律技研 






ピアノ調律.net 編集部


 




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