なぜ、ピアノ調律が必要なの?

ここでは、なぜピアノの調律を定期的に行う必要があるのかについて、解説します


ピアノの調律をしないと、少しずつ音が下がっていきます。その結果、ピアノ本来の美しい音色が、汚くなってしまうからです。調律は、この汚くなった音程を、きれいな音程と音色に整える作業です。


ピアノの音程が狂う原因には、大きく二つあります。


ピアノの弦には、常に、20tという強大な力が加わっています。このまま放っておくと、この緊張を解こうとうする働きが生じて、弦がゆるみ、音が狂っていくのです。


二つ目には、年間をとおして生じる温度と湿度の変化です。まず、温度の変化は、金属部分や弦を拡張させたり、収縮させたりします。湿度の変化は、木製の機械の部分に影響を及ぼします。これら温度と湿度の変化によっても、たえず音の狂いが発生しているのです。


また、定期的に調律をすることで、故障の早期発見につながります。


ピアノを弾かずに放っておくことで、ひどい場合だとネズミがピアノの中に巣をつくって壊してしまうのを、ご存知でしたか?そこまでひどくなくても、鍵盤からの力をハンマーに伝えるアクション部分が、外からは見えないけれど内部で壊れている可能性もあります。あるいは、ハンマーのフェルトが、虫に食われているかもしれません。


当然、これらの修理は大がかりなものとなり、多額の費用が発生します。こういった最悪の事態を避けるためにも、定期的な調律によって、内部のチェックをする必要があります。


調律は、人間の場合でいうと、定期的な健康診断のようなものです。健康診断によって、自分の健康チェックができるように、調律によって大切なピアノ健康状態がわかります。

ですから、年に最低一回は、ピアノのために調律をしてあげましょう。また、買ったばかりの新しいピアノであれば、弦が伸びきっておらず安定しないため、年に数回やってあげましょう。


そうしないと、大切なピアノ本来の性能を発揮できませんし、致命的な故障の早期発見ができなくなるのです。