Q&A: もしピアノ調律師が調律、修理を頼むなら、どんな調律師に依頼する?

調律師さん方の視点から、この点についてどう思うのか聞いてみました。

 




Q
: Q&A: もしピアノ調律師が調律、修理を頼むなら、どんな調律師に依頼する?



 ピアノ調律や修理を依頼するのは、ふつうはピアノを弾くか、もしくは所有するユーザーさんです。しかし、もし仮に調律師さんがピアノユーザーの立場からピアノの調律、修理を依頼するなら、いったいどんな調律師を選んで頼みたいと思うでしょうか?主観でかまいません。条件が複数ある場合は、すべて挙げてください。よろしくお願いします。



ピアノ調律.net 編集部からの質問



A:調律師さんの回答




 自分が納得する仕事をして欲しい調律師に頼みたい



先ずは調律の精度が正しいこと。
4度5度も大事ですが3度の精度、オクターブ3度、
更に2オクターブ3度の精度が整っていること。
次はユニゾンがしっかり合っていること。
そして長持ちすること。
調整については滑らかさ、鍵盤の動きに対する
アクションの動きが自然なこと。更にタッチに
斑がないこと。そして早い連打が出来て尚且つ
力強い音が出ること。
整音は同時打弦が出来ていること。弱い音と強い音
で斑がないこと。勿論、中くらいの音でも。
低音、中音、高音のバランスがとれていること。
音にのびがあって、歌える音を希望します。




どんな調律師に頼みたいか?それは調律を始めた30年前と今では大分違うと思います。
まず30年前ですが、勿論まだネットなどはなく、調律の知識もありませんでしたので、とりあえず近くの楽器店なら安心かなということで頼んだと思います。電気機器を直す電気屋さんとと同じような感覚で頼んでいたと思います。看板力のある技術屋さんならとりあえず安心、人当たりがいい人ならいいな、くらいの感覚だったと思います。
でも今は、ネットなどの情報で色々な技術者を選べる時代になりました。勿論この調律ネットもその一つです。看板力はなくても、評価などを参考にして信頼して選ぶとうケースも多いでしょう。
そして最近はネットでピアノに関する知識を一般のかたが知る機会も増えたと思います。勿論すべてが正しいとは言えませんが、30年前はそれこそわずかな本くらいしかピアノに関する知識を得る機会がなかったことを思えば格段の違いです。さらに最近は調律師を主人公にした小説や漫画、ドラマも増えましたね。これらもすべてが正しいとは言えませんが、一般のかたに調律師の仕事の奥深さを知っていただくことはできたと思います。
もし私が今調律の仕事をしていなかったら、事務的に仕事をこなす調律師よりも、ネットなどを見てこだわりを持っている調律師に頼むと思います。私の場合は、ピアノや音楽が好きで、そういう趣味が合う調律師でしょうか。
ただ、「私の調律は、わかる人にしかその良さはわからない」のように上から目線で見る極端なこだわりを持った人には頼みたいとは思いませんね。(実は、経験と技術を積んで自信を持っている調律師ほどこのようになる傾向が強いと思います。私自身も気をつけなければなりません。)
調律師として駆け出しの30年前、あるかたが「良いピアノは、チューリップや蝶々のような童謡を弾いても感動する」と言ったのが今でも焼き付いて離れません。それ以来、そのような音を作ることを常に意識して仕事を続けてきたように思います。
良い音は、チューリップのような童謡を弾く子供達からリストやショパンの難曲を弾くピアニストまで平等のはずです。
今回のテーマは、改めて調律師として初心に返るようなテーマでしたが、どんなに技術を積み上げても常に初心を忘れない、それは良い音を作る上でも重要かと思います。
そして、今私が調律の仕事をしていなかったら、そのような調律師に頼みたいと思うでしょうね。


ピアノの森・調律工房
森 一夫



 


ピアノ調律.net 編集部


 




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