Q&A: 新型コロナウィルスの感染対策として、調律の時にどのような点に気をつけていますか?

調律師さん方の視点から、この点についてどう思うのか聞いてみました。

 




Q
: Q&A: 新型コロナウィルスの感染対策として、調律の時にどのような点に気をつけていますか?



 新型コロナウィルスは、世界的に流行病となっています。そこで、その感染対策として、ピアノ調律の時やその前後には、どのような点に気をつけているのでしょうか?お聞かせください。





A:調律師さんの回答







 お答えしますね。 そもそも、個人宅に伺う仕事なので、個人宅に上がれないし連絡とれても、敬遠されるのが落です、 22020年5月に伺えたお客様では、マスク着用手洗いうがいを励行されました。早くコロナが終息されることを望みます。

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 調律前後の手指の消毒やマスク着用などは当然として、独自の試みとしては調律時に無料で「ピアノ外装の簡易分解清掃」を行っています。よく触る部分の指紋や飛沫汚れ、ホコリなどを専用ワックスで磨き、一度汚れをリセットすることで使用者の方が普段もピアノをキレイで清潔に保ちやすくなるサポートをしています。

つくしピアノ調律所





 新型コロナウィルスの感染対策を、調律の時やその前後に どのような点に気をつけているかとの質問ですが、私の場合、3月から5月までご依頼はあったのですが、全てのお客様に、万一の事を考慮して今後の様子をみながら実施する方向で待っていただきました。 直接の対象はピアノですが、お客様のお宅に伺い、長時間部屋にお邪魔して、お客様とお話をしないわけにはいきませんのでやはり怖いです。お客様も同様に怖いと思います。 今後ワクチンや治療薬ができて、現在よりも安心できる状況になるまで、調律を待っていただければ理想ですが、これはかなり無理と思われますので、どこかで妥協せざるを得ません。

今後お客様宅へ伺う場合、公共の交通手段は感染リスクが高くなりそうなので車で伺います。勿論マスクの着用や、 消毒タオルを持参して時間をみながら消毒と部屋の換気も 行います。 世間一般で言われる3密(密閉・密集・密接)のうち、 調律の作業では密集と密接はほぼ避けられますので、密閉を避ければよいのですが、ピアノを置く部屋はどうしても 密閉した部屋になりがちですので、これは時間を気にしながら、換気をしっかり行う以外に方法はないと思います。 作業が終了して退出の際は、自分が触れた箇所全てを消毒タオルで拭き取ります。 退出後はしばらく部屋の換気をしてからピアノを使用するようにお願いします。

換気の目安 時間的には1時間に2回程度(30分に1回) 換気機能がついたエアコンは換気できますが、そうでない エアコンの場合は窓開けが必要です。

ピアノ調律アミュース




ピアノ調律師として気をつける事、主に3つあると思います。


1:普段から体調管理に十分に気を付ける。

2:マスクをする。

3:調律自体を控える。

1は当たり前ですね。人の多い所に行かない、睡眠を十分にとる、自粛や間隔を空けるなどの決められたことを守る、など。勿論必要以上に神経質になることはないかと思いますが、必要最低限のことは守るという意識は持ち続けなければなりませんね。

2ですが、外出の時はマスクをするべきですが、訪問時、調律時にマスクをするかどうかは考えるものがあります。特に初めてのお客様の場合は、マスクで顔を覆うのではなく、フェイスtoフェイスで接したいという思いはあります。訪問時はマスクをはずし、会話時はマスクをする、もしお客様が気になるときはそのようにしています。あと調律時ですが、できればマスクを外したいですね。というのは、マスクをするとどうしても聴覚が若干鈍るからです。聴覚というのは耳だけでなく顔面から伝わるものもあると聞きます。単に機械的に合わせるだけでしたらマスクをしたままでもいいのですが、音色やタッチの細かいニュアンスまで考えると、できれば顔はフリーにしておきたいですね。例えば、料理人がマスクをしないことに疑問を持つ方がいましたが、料理人は味覚、嗅覚、視覚、聴覚など総動員して料理をしているはずです。マニュアル通りの料理をするならマスクをしてもいいかもしれませんが、良い料理をお客様に提供するならマスクをすることは考えられないでしょう。それがプロだと思います。私はそのような仕事にこだわりたいですね。ですので、調律の前に一言お客様にことわって作業に入ります。殆どのお客様は理解していただいております。

3ですが、これも対策の一つかと思います。事態が収束すれば確実にご迷惑をかけることはありません。しかし、状況があまりよくなかった4月にもお客様から御依頼を頂きましたし、仕事も続けておりました。それでそのとき思ったことは、改めて仕事が出来ることへの強い感謝の思いと、仕事にじっくり取り組むことの大切さでした。忙しい時にはとかく流れ作業になりがちですが、忙しい中でもいかに集中して一つのことに取り組むか、仕事が忙しくなり始めた今、改めて思うことです。

まだまだこれで終わったのではなく、一山二山あるかもしれませんが、良い仕事とは何か、今回の騒動で改めて思い直すことができたかもしれません。

ピアノの森・調律工房
森 一夫


 


ピアノ調律.net 編集部


 




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