Q&A: ピアノを弾くためにマンションの一室を防音室にしたいが、ほんとうに効果がある?

調律師さん方の視点から、この点についてどう思うのか聞いてみました。

 




Q
: Q&A: ピアノを弾くためにマンションの一室を防音室にしたいが、ほんとうに効果がある?



 ピアノを弾くためにマンションの一室を防音室にしたいと思っています。でも、どんな防音室を使えばよいのかよくわかりません。夜に弾いても、他の住人の方々に聴こえないようにしたいのです。ふつうの防音室は、そこまで対応しているものでしょうか?防音室を入れて、うまくいかなかったことがあれば、合わせておしえていただければと思います。よろしくお願いします。

ピアノユーザー様からの質問





A:調律師さんの回答







 結論から言いますと、効果はあります。 あとは予算とスペースの問題ですね。 現在のマンション構造において、億ション以外は各部屋の間取りが 小さく、数年住んでいくと私物が増えることで、 整理整頓出来ない性格の人種だと防音専用室を作ると 生活するスペースを蹂躙することになりますから気をつけて!

おすすめは、消音付きのピアノを買うか、既にピアノがあるなら 後付けのユニットがありますからそちらの方が予算とスベースを蹂躙する事はないと思われます。ではでは(-_-)/~~~

 music takano





 防音室には部屋そのものに防音施工をするタイプと、部屋の中にユニット(ボックス)を組み立てるタイプがあり、夫々特徴があります。 前者は設計が自由で、部屋の広さを充分に活用ができ、 遮音効果や室内音響も優れていますが、その分費用が割高 かも知れません。 後者のユニット式は部屋の中にもう一つの空間をつくるため、定型で大きさが限られますが、組み立て式のため、搬入や搬出、移動・運搬が簡単です。その分費用が割安かも知れません。 日本工業規格の制定で、遮音性能の等級を表す数値としてDr-〇〇(dB)という単位が使われ、数字が大きい程遮音性能が高くなりますが、マンションで夜弾いても、他の住人の方々に聴こえないようにするには、最低でDr-65dB(デシベル)の性能が一般的に必要なようです。 この数値を満たすには少々費用がかかりますが、ユニット式よりも自由設計施工タイプをお勧めします。 防音効果の他に室内の音響効果も考慮した場合、ユニット式はある程度決まってしまいますが、自由設計の方がご自身の思うようにできると思います。

いずれにしてもこの分野は高い専門性が問われ、音の響きについても奥が深く、住む環境で周囲の音のレベルが変り、建物の構造や間取りも様々なため、事前調査や測定、周波数分析などができる業者さんをお勧めします。





 勿論効果はあります。そして他のどの防音対策よりも効果があります。ただ気を付けた方がよい点もありますのでここでご説明させていただきます。

防音室にするには二つ方法があります。

・部屋自体を防音室にする
・部屋の中に防音ボックスを作る(ヤマハのアビテックスなど)

部屋自体を防音室にする場合、作ってから思ったほどの防音効果が得られていないということにならないような注意が必要でしょう。施行業者さんと作る前にじっくり相談することが大切です。思ったほど効果が得られず、後々業者と裁判にまでいったということも聞いたこともあります。
ヤマハのアビテックスのような、部屋の中に防音ボックスを作る場合は、このような配慮は必要ないでしょう。
費用がかかるにしても、やはり防音室を作るのが何よりも効果的です。しかし、さすがに真夜中に弾くのはまずいでしょう。よほど完璧に防音しないと少しの音は必ず漏れます。

他に、防音対策としていくつか候補と、良い点と悪い点をあげてみます。

・ピアノに消音器をつける。 

良い点:完璧に音をシャットダウンできる。 
悪い点:消音時の音は電子音。よって音楽性を追求するには無理がある。

・ピアノの後ろに防音マットをつける。 

良い点:かなり生の音を小さくできる。 
悪い点:音が小さくなる分、響きがおさえられてしまうために、弾く楽しさが減る。

・防音耐震のインシュレーターや防音マットをひく。 

良い点:比較的安価。 
悪い点:施行しないよりはいいが、それほどの大きい防音効果は得られない。

・部屋の中に防音ボックスを作る。。

良い点:生の音でほぼいつでも気兼ねなく弾ける。
悪い点:値段が高い。部屋の中にさらにもう一部屋作る状態になるので、部屋自体に圧迫感がある。

・部屋を防音室にする 

良い点:生の音でほぼいつでも気兼ねなく弾ける。
悪い点:値段が高い。 

マンションで調律をしている最中に、音がうるさいというクレームがきたこともありました。でも最近はマンション自体の防音性も良くなってきていると思います。ご近所とうまくやっていくことでも、音に対する意識は大分違ってくると思います。
練習の時間帯や練習方法も考慮して、総合的に音に対する配慮をしていくことが大切でしょう。

ピアノの森・調律工房
森 一夫



 


ピアノ調律.net 編集部


 




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