Q&A: ピアノの鍵盤の動きが悪いような・・・。自分でチェックはできる?

調律師さん方の視点から、この点についてどう思うのか聞いてみました。

 



Q
: Q&A: ピアノの鍵盤の動きが悪いような・・・。自分でチェックはできる?


 最近ちょっとピアノの鍵盤の動きが悪い気がします。でも、それほど以前と変わらないような気もします・・・。調律師さんに頼む前に、自分でどの程度悪くなっているのかチェックする方法はありますか?宜しくお願いします。

ピアノ調律.netからの質問





A:調律師さんの回答





鍵盤の動きが悪くなる要素としては、突発的に異物が鍵盤と鍵盤の間に挟まったり、長期間かかって埃や小さなゴミが鍵盤の下にたまる場合。また、湿度が多くなった時には
バランスブッシングクロスやフロントブッシングクロスが湿気のため膨らんで、動きが鈍くなることがあります。
チェック方法としては、鍵盤をゆっくりと押して、ゆっくりと指を鍵盤から離してください。この時の鍵盤の戻り方で判断することができると思います。
スムーズに元の位置へ戻れば正常ですが、戻らない場合は
何らかの理由があると考えられます。
但し、鍵盤以外、例えばハンマーやウイペンの動きが悪い
場合でも同じ症状が起こりますので、同時にハンマーやウイペンの動きもチェックしてください。
一番多いのは湿度の多い部屋に、長期間使用しないで放置しておくと鍵盤の動きは悪くなります。
参考までに、湿度は一年を通して60%以内にしたいものです。




鍵盤の動きの異常といえば、大抵は湿度が上がることで木材などの部品がが膨らみ動きが鈍くなることや、長時間の使用によりネジなどの部品が緩み鍵盤の押した感触が軽く感じたりあるいは音が出なくなったりすることが挙げられます。
ご自身でできるチェックとしては、弾いて異常を見つける方法と見て異常を見つける方法があります。
まずは弾いて異常を感じる方法ですが、高音から低音、低音から高音へと半音でも音階でもいいですが全体を利き手で弾いてみて下さい。この時に場所によって明らかに重かったり軽かったりと誤差が感じられる場合は中の調整に異常があります。
見て異常を見つける方法ですが、アップライトピアノでしたら上の蓋を開け、、グランドピアノでしたら譜面台の下を覗き込んで弦を叩くハンマーを見てみましょう。弾いてない状態でぱっと見上下が揃っていなかったり、隙間が揃っていなかったりしたら調整に異常があります。

ピアノを弾かれている方が「なんか鍵盤のタッチが変だなぁ」と感じられたのであれば、必ずどこかに原因があるので調律師を呼んだほうが良いと思います。
個人的に、上記のチェックをなんとなくレベルごとに分けると、

自分で弾いていて違和感を覚える
・・・調律のついでに直してもらうレベル

高音から低音まで弾いて明らかに軽い重い誤差が感じられる
・・・整調の時間を30~1時間ほど頂く

ぱっと見ハンマーの上下、幅が合っていない
・・・整調の時間を1~2時間頂く

というレベルでしょうか...

とは言ってもやはり中を見て見なければ原因が軽いものだったのか、はたまた部品の破損だったのかは分からないので、明らかにおかしいと感じたら調律師を呼ぶことをオススメします。

IDOKLAVIER
井戸遼太郎






お答えします。原因の殆どは湿気によるものです。
冬場に石油ファンヒーターを炊いていたり、アラジン式のストーブの上にヤカンや鍋があったりするとピアノや人間には致命的です。

ピアノ内部空間に温度差ができて、特に蓋を閉めたピアノの鍵盤にキーカバーがありしばらく開けてなかったりすると確実に動きは悪くなります。
調べる方法としては、鍵盤を持ち上げて元にもどらなければ湿気によるものです。因みにキーカバーは、蓋を開けっ放しにして何時でも弾けるようにするための鍵盤のホコリ避けです。

キーカバーをして蓋を閉める行為事態が悪化する原因です。日本は世界的に見ても亜熱帯園です。近年10年にかけては、ますます亜熱帯園に拍車がかかります。
特に近年では、上海コロナや経ん異種で在宅期間が増えていますから、ますます湿気が抜けにくくなっています。
素人では直せません。プロに任せて鍵盤調整してください。


music takano






鍵盤の動きが悪い原因は色々考えられます。鍵盤自体に問題がある場合、弦を叩くハンマーに原因がある場合、などです。
鍵盤の先端を指でつまんで左右にゆすってみて全く動かない場合は鍵盤に原因があります。ゆすって少しだけ動くのが理想です。左右にゆれすぎるとタッチにしまりがなくなったり雑音の原因になったりします。技術者が修理する必要がありますが、修理費用はそれほどかかりません。まれに鍵盤の間に物が挟まって鍵盤が動かなくなることもありますが、その場合は大体隣の鍵盤も動かなくなります。鍵盤の隙間に細いボール紙などを挿入すれば挟まった物が下に落ちるので鍵盤はすぐに動くようになります。
あとハンマーの方に原因がある場合ですが、ハンマーの動きが悪くても鍵盤の動きが連動して悪くなります。全体のチェックが必要になるときは何万か修理費用がかかります。たとえ症状が出ている鍵盤が2~3個でも、症状になりかけているハンマーが他にも多くあることが殆どです。その場合、2~3個直しても、しばらくすると他の鍵盤に同じ症状が出始めます。でしたら全部チェックして直したほうが後々気持ち良く弾けるようになります。
他にも、鍵盤の前の側面の部分とピアノ本体の前の木の部分(口棒といいます)の幅が狭くなって鍵盤がひっかかって動かなくなる、マフラーフェルトにハンマーがひっかかって鍵盤の動きが悪くなる、などの症状があります。いずれも技術者にたのんで直してもらいましょう。それほど大きな修理ではありません。
これから湿気の多い季節に入ります。これらの症状が出やすくなりますので、湿度管理には十分に気をつけていただけたらと思います。


ピアノの森・調律工房

森 一夫


 


ピアノ調律.net 編集部


 




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