Q&A: グランドピアノだとミスが目立つように感じるが、なぜ?

調律師さん方の視点から、この点についてどう思うのか聞いてみました。

 



Q
: Q&A: グランドピアノだとミスが目立つように感じるが、なぜ?


 学生ですが、ふだんはアップライトピアノを弾いています。しかし、レッスンで先生のグランドピアノを弾くとミスや音質の違いが目立って聴こえるように感じます。これは、なぜなのでしょうか?調律師さんには、ピアノの構造の点などからおしえていただけると嬉しいです。よろしくお願いします。

ピアノユーザー様からの質問




A:調律師さんの回答


これはアップライトピアノとグランドピアノの差、及び、練習とレッスンのご自身の気持ちの差があると思われます。
先ず、構造面ではアクションの方式が違い、グランドは重力を利用し、レペテーション機構が、初めに打弦した態勢から次の打弦の態勢に入りやすくしているため、アップライトより繊細に反応します。
また、ピアノの形状の違いから、響板の形や大きさも違い、当然響きが豊かになります。響板はピアノの最も重要な部分で、そのピアノの性能がこれで決まってしまう位です。
音の響き方もアップライトは箱型のため上前や下前で遮られてしまいますが、グランドは大屋根を開ければそのまま
響き、ピアノの下(床)の方向にも響きが伝わります。
それだけグランドピアノは繊細かつ豊かな響きをもっているので、ミスや音質の違いがはっきりしてきます。
逆の発想をすれば、より繊細に、また、よりダイナミックな演奏が可能となるわけです。
これは余談になるかも知れませんが、家で練習するのと
先生宅でレッスンを受けるのではご自身の気持ちも違って
、より緊張し、より敏感になるのではないでしょうか。



お答えしますね、
結論から言うと、アクション構造の問題ですね。
そもそもアップライトはグランドピアノの廉価番です。
グランドアクションは、ハンマーが重力にさかわらないで上下に動くの動き、鍵盤を次のストロークのためにスプリングがついていてハーフキーに対して動きが素早くできるのに対してアップライトアクションは、斜めから無理矢理正常値迄持っていこうとするのと、キーを完全に戻さないと連打ができない構造ですので、当然演奏にももたつきと、タイムラグが発生しますから、表現力に差が出るのは当然です

日本家屋はグランドピアノをおく環境にはかなり厳しいのでアップライトが流行ったのです。

アップライトアクションにも特殊加工でグランドアクションに近い効果がある後ずけのメカがあるようなのですか、広まらないのは何らかの不具合と予算の問題があるのではと思われます。

大手メーカーが乗り出してくれると普及するのですが、、、

もたつきと単調な弾きかただと、グランドとアッブの違いが聞くだけで解ります。

出来るだけグランドピアノで練習すべきですね。

手首は柔らかく、表現力豊かにすれば時として、グランドを凌駕出来るかもです❗


MusicTAKANO



たしかにアップライトピアノよりグランドピアノのほうが造りに無理がなく、表現の幅が広いのでミスは目立ちやすいかもしれません。逆に言えば演奏の良いところをきっちり反映しやすいのもグランドピアノです。

自宅とレッスンのピアノの違いにとまどうという方は多いですね。構造的にもそれぞれ別の楽器と言えるくらい違うので「グランドピアノ慣れ」は必要かもしれません。

ただそれだけではなく、そもそも個々のピアノの違いや部屋の響き、メンテナンスの違いも大きいと思います。
あとはいろいろな人に長時間弾かれているレッスンのピアノのほうが実はクセの強い本来の弾き心地ではなくなっているケースも意外と多いです。

ピアノは持ち運べないので、自宅以外で弾く場合はある意味「アウェイ」です。やはりいろいろなピアノを弾いた経験が多いほど、いつもと違うピアノでも困りづらいようです。

機会があれば弾きやすいピアノも弾きづらいピアノも、いろいろ試していただくとおもしろいと思います。

つくしピアノ調律所
中嶋



アップライトピアノとグランドピアノ。どちらもピアノですが別物です。弦の張り方も垂直と水平。弦を叩くハンマーも横から叩くアップライトピアノにたいし下から叩くグランドピアノ。アクションのメカニズムも似ても似つかない構造をしています。アップライトピアノと同じようにグランドピアノを弾いたら出てくる音は???でしょう。

国産のグランドピアノとドイツのスタインウェイ。どちらも同じグランドピアノですが「初めてスタインウェイを弾いたら暴走してしまった」と聞いたことがあります。

ピアノは一台一台個性があります。その個性を瞬時に見抜き対応出来る力をつけて下さい。

調律師からのアドバイスはここまでです。あとは先生の領域です。

立川ピアノ調律技研 立川雅規



自分の家では弾けていたのに先生の家では弾けない、よくあることかと思います。まず、家では自分のペースでリラックスして弾けますが、先生の前ですと緊張して普段の実力が出ない。だからミスが多くなる。でも基礎がしっかり出来ていれば先生の前でもしっかり弾けるはず、とも言えるかもしれません。普段弾けているように感じても、先生の前だと粗が出るということでしょうか。
あと、ピアノは自分の楽器を持っていけないという宿命がある以上、普段弾き慣れてないピアノにあたるととまどいミスの原因になるということもあるでしょう。
音色の違いが目立つということですが、表現力のあるピアノほどタッチによる音色の変化を付けやすいので、違いが目立つようになることがあると思います。もちろんアップライトとグランドの差もあるでしょう。グランドの方が表現力があるので、そのぶん弾き方もシビアになる、ちょっとのこともミスしたように感じるでしょう。
自分の家と先生の家のピアノが全く違うという意見はよくあります。この辺は先生の家に合わせた方がいいのかどうか、色々意見はあるかと思いますが、やはり我が家のピアノが一番楽しく弾けるというのがいいですよね。なにせ一番多く弾くピアノですから。そのほうが上達も絶対早いはずです。以前は弾きにくいピアノで練習した方が練習になるとの意見もありましたが、昭和のスポーツ根性ドラマみたいですね。今の時代はそういうスタイルはうけませんね。時代とともに練習スタイルというのも変っていくものかもしれませんね。

ピアノの森・調律工房
森 一夫


 


ピアノ調律.net 編集部


 




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